精神分析的精神療法は実際にどのようなことをするのでしょうか?
回答者:桜小路 岳文
先ず、ひとりで悩んで解決できなかった問題が、何に由来し、どのように治療を進めていくかという見通しをたてるための面接を行います。これが、「診断面接」と呼ばれるものです。一回の面接は50分で、通常3、4回お会いして、ていねいにあなたのお話を傾聴します。
見通し、治療目標を共有できたあとは、一回50分、週一回(もしくは2週に一回)時間を決めて面接室でお会いしていきます。始める時間も終わる時間も契約して決まっていますので、クリニックの混雑状況や待ち時間に左右されることなく、この時間を使って充分にお話していただけると思います。
自らお話をしていきながら、セラピストの質問や感想を手がかりに、時には話すことの不安や心配に戸惑いながらも、自分で気がついていくという体験を繰り返していきます。これらはあなたが意識していることだけでなく、自分ではすぐには気づかない無意識のレベルでも、欲求不満、不安、願望を拾い上げますので、このあたりは、よりセラピストとの共同作業が必要とされるでしょう。これは自分が本心では何をしたいのか、何が欲しいのかに気づいていく体験でもあります。
また、自分が話したいように話し、そのまま話を聞いてもらえるという体験はとても貴重です。この体験だけでも、人の心は安定する方向に向かい、また現実の困難に立ち向かう気力も生まれるものです。
このようにして面接を進め、ある程度の期間を過ぎると、今までは変わらないと思っていた自分自身のこと、周りの出来事、過去のことなどを違った意味合いで受け取ることができるようになり、困難を感じていた生活、仕事、人付き合いが、より楽に感じられるようになっていくでしょう。自分の考え方、感じ方、振舞い方の変化として実感されることでしょう。例えば相手に困っていることを上手に伝えられて分かってもらえる体験が増えることかも知れません。あるいは、本当に手の届かないことをあきらめられることなのかも知れません。