過食症の精神療法ではどのように治療していくのでしょうか?
回答者:桜小路 岳文
何らかのストレスにさらされた時のために、人は誰しも自分なりのバランスの取り方、自分の身の守り方を自然に身につけているものです。その方法が適切でうまくいっている時はさまざまなストレスに負けることなく社会生活を送っていくことができます。
ストレスの解消を過食に頼りすぎてしまっているのが過食症です。食べ過ぎてしまった後、後悔してしまい、自分で吐いてしまうこともあります。これら一連の行動が、一時的にはストレス解消になっているのでしょうが、この繰り返しから抜けられないでいると、やがて身体の調子も悪くしてしまいます。
また、過食したくなる時の心理的背景には、不満や苛立ち、憂うつ、寂しさなどの気持ちが潜んでいると言われています。これらの気持ちに振り回されて不安が高まるため、それに負けないためについ過食してしまうのでしょう。過食してしまったあとの、一時的な開放感のあとには、やはり後悔や憂うつ感、自責感を味わっているのではないでしょうか?過食は適切なストレス解消法ではありません。
精神療法では、ストレス→不安→過食という悪循環から抜け出るための第一歩として、不安が高まってどうしようもなくなった時の自分の気持ちを丁寧に言葉にする作業を続けていきます。手に負えない気持ちを言葉にして、あたかも自分の目の前に見えるようにして確認していくことで、得体の知れない不安を、よりコントロールしやすいものに変えていきます。
また不安を起こさせるストレスの正体を、はっきりと見極めていくことも大切です。何故なら、何がその人にとってストレスと感じるかは、人それぞれです。他の人から見たら全くストレスと感じられないことでも、ご本人にとって苦痛としか思えないこともあります。当院では、あなたにとって辛いことはなんなのか?の問いをいつも大切にしながら、お話を傾聴していきます。