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Q パニック症の精神療法ではどのように治療していくのでしょうか?

回答者:櫻小路 岳文

パニック症とは、突然不安が高まり、動悸、息苦しさ、めまい、発汗、手足のふるえなどの身体の症状が現れ、自分がどうにかなってしまいそうな不安感に襲われてしまう病気です。ある特定の場所が苦手で、このようなパニック発作が起こる人もいますし、特定の場所に限らず起こる人もいます。苦手な場所とは、たとえば、人ごみのなか、電車やバスなど乗り物のなか、トンネルのなか、雨降りの天気、など人さまざまです。

このようなパニック発作は、身体の生物学的な反応、つまり、脳内の神経伝達物質のバランスが乱れることによって起こると考えられています。そこでパニック症の治療には、神経伝達物質のバランスを整える働きのあるくすりも有効です。まず、くすりを飲むことで、パニック発作を減らして不安感を軽減させ、日常生活のなかに安心感を確保していきます。くすりによる効果は、早ければ数日で実感できるはずです。日常生活のなかでの不安感が消え、再び楽な心持ちになれて一安心です。

ところがこの段階では、パニック発作を起こした状況が苦手なままで、たとえば電車や人ごみ、一人でいることなどを避けてしまって、自分の生活にたいへんな不自由さを感じたままになっていることが多いようです。あるいはパニック発作は起きていないにもかかわらず、もし起きたらどうしようという予期不安に悩まされている人も少なくありません。自分の考え方が、まだ起こってもいない未来の不安をたぐり寄せてしまっているようなものです

そこで治療初期には薬物療法と並行して、行動療法的アプローチが用いられます。基本にある考え方は、「怖いと思うことを避けているうちは、いつまでもそれは怖いままである」というものです。くすりに守られたなかで、怖いと思ってしまう状況でもリラックスする方法を試みながら、少しずつ慣れていくことが必要とされます。おっかなびっくりでもこれならやってみてもよいかなと、あなたがほんの少しの勇気で取り組めることを、治療者と一緒にさがして、簡単なことから難しいことへと段階的に試してみるのがよいでしょう。

当院は渋谷駅近く、渋谷マークシティにほぼ隣接したクリニックですが、この病気のかたは繁華街が苦手なことも多いと思います。そこで、JR渋谷駅から、繁華街を避けてわき道から来院することもできますし、また、出勤や夕方から夜にかけての人ごみを避け、午前中の比較的人通りの少ない時間に来院されるのもよいかもしれません。最初は人ごみを避けるように通院していても、治療が進むにつれ、苦手としていた人ごみも避けることなく、街並みや新しいお店、すてきなカフェを楽しみながら、帰宅できるようになるかもしれませんね。

パニック症の治療は、もっぱらくすりと行動療法的なアプローチだけかというとそうではありません。よくよく話を聴いていくと、そうした症状の背景に、対人関係の問題が潜んでいることも多いものです。そのためその先の治療は、症状が何かということだけではなく、そのひとの抱えているこころの問題がどのようなことか、ということも重要になります。こうした問題が明らかになった場合、精神分析的精神療法も向いています。

精神療法によって、自分の問題に対処できるようになれば、パニック発作も起こりにくくなりますので、くすりを減らしたり、やめたりできるようにもなります。

Access Guide

渋谷駅からの行き方

1

渋谷駅から井の頭線方面へ向かい、マークシティに入ります。

2

エスカレーターで4階まで上り、道玄坂上口を目指してレストランアベニューを進みます。

3

道玄坂上口を出て、通路を通り抜けます。

4

左手にあるマークシティ駐車場出口の横断歩道を渡ります。

5

交差点を渡らずにそのまま左へ曲がり、一つ目の角のビルに入ります。

6

ビルの2階が当クリニックとなります。